今年のセンター試験が終わりましたので、昨年と同様、問題を見ていきましょう。
まずは化学基礎です。
原子番号が等しく、質量数の異なるものを互いに同位体であるといいます。
たとえば水素 H には次の同位体があります。
1H 水素 質量数 1
2H 重水素 質量数 2
3H 三重水素 質量数 3
すべて原子番号は 1 です。
原子核中の陽子(正に帯電)の数は原子番号と同じで、原子核の周りを飛んでいる電子(負に帯電)の数は陽子の数と同じです。
したがって上に示した 3 種類の水素の電子の数はどれも同じで 1 個です。
異なるのは原子核中の中性子(電気的に中性)の数です。
放射性同位体とは原子が壊れて他の原子に変わるときに放射線を出す同位体のことで、自然界ではウラン U やラジウム Ra などがあります。
いくつか同位体を含む元素の原子量は、それぞれの存在比で加重平均した質量で与えられます。
たとえば上に示した 3 種類の水素はそれぞれ質量が異なります。
しかし「水素の原子量は?」と聞かれたとき、3 種類の数値を答えるわけにもいきません。
そこで 1H の質量と存在比を掛けたもの、2H の質量と存在比を掛けたもの、3H の質量と存在比を掛けたものをそれぞれ計算し、すべて足したものを水素の原子量とします。