前回に引き続き、次の2次関数を使います。
\(\small\color{blue}{y=x^2\cdots(1)}\)
そして座標 \(\small (x,y)=(1,1)\) での傾き(図1の緑の直線の傾き)を計算してみましょう。
前回説明したように、この直線は \(\small x\) 軸方向の変化量を限りなく \(\small 0\) に近づけたときに描かれるものです。そこで、\(\small x=3\) から始めて少しずつ \(\small x=1\) に近づけたときに、直線の傾きがどのように変化するか、計算します。
たとえば、\(\small x=3\) の場合 \(\small y=9\) なので、点 \(\small (1,1)\) と点 \(\small (3,9)\) を結んだ直線の傾きは\(\small\,(2)\,\)式で計算されます。
\(\small\color{blue}{\displaystyle\frac{\Delta y}{\Delta x}=\frac{9-1}{3-1}=\frac{8}{2}=4\cdots(2)}\)
ここで、\(\small\Delta x\) は \(\small x\) 軸方向の変化量を、\(\small\Delta y\) は \(\small y\) 軸方向の変化量を表しています。
\(\small x=2\) の場合は \(\small y=4\) なので、点 \(\small (1,1)\) と点 \(\small (2,4)\) を結んだ直線の傾きは\(\small\,(3)\,\)式で計算されます。
\(\small\color{blue}{\displaystyle\frac{\Delta y}{\Delta x}=\frac{4-1}{2-1}=\frac{3}{1}=3\cdots(3)}\)
このような計算を \(\small x=1\) に近づけるように行った結果が表1です。
あとはもう気が済むまで計算してみてください。
この計算をもとに \(\small x\) 軸の座標と傾きの値をグラフにすると図2になります。
このように \(\small x=1\) に近づけていくと、傾きがある値(ここでは \(\small 2\))に近づいていくことがわかります。すなわち座標 \(\small (x,y)=(1,1)\) での傾きは \(\small 2\) です。
これがグラフの傾きの考え方です。そしてこのような計算をしなくても、微分が傾きを与えてくれます。
次回はなぜ微分で傾きが与えられるのか、考えていきましょう。