今回は、関数の微分からグラフの形を考える方法について紹介します。
まずは\(\small\,(1)\,\)式の2次関数を考えます。
\(\small\color{blue}{f(x)=x^2+2x+3\cdots(1)}\)
図1のように、この2次関数は頂点の座標が \(\small (-1,2)\) である、下に凸のグラフを描きます。
それでは、微分の計算とグラフの形がどのように関係するのか、見ていきましょう。
まず、\(\small f(x)\) を1回微分します。
\(\small\color{blue}{f'(x)=2x+2\cdots(2)}\)
ここで、\(\small x\) に \(\small -4\) から \(\small 2\) まで代入して傾きを計算します。
ここで注目すべきは \(\small f'(x)=0\) となる \(\small x=-1\) の点です。\(\small f'(x)\) は傾きを表していますが、傾きが \(\small 0\) とはどういうことでしょうか。
傾きが \(\small 0\) とは \(\small x\) 軸と平行の線を表します。そして、傾きが \(\small 0\) の点はグラフが折り返す先端部分、つまり頂点にあたります。
したがって、まずは \(\small f'(x)=0\) の点を探すことに意味があります。
さらに \(\small f'(x)\) をもう一度 \(\small x\) で微分しましょう。
\(\small\color{blue}{f^{\prime\prime}(x)=2\cdots(3)}\)
この \(\small f^{\prime\prime}(x)\)(\(\small f(x)\) を2回微分したもの)は、プラスになるかマイナスになるかが重要です。この関数のようにプラスになる場合は下に凸のグラフとなるのに対し、マイナスになる場合は上に凸のグラフとなります。
別の関数でもう一度考えてみましょう。
\(\small\color{blue}{f(x)=-x^2+4x-2\cdots(4)}\)
この関数を1回微分すると、\(\small f'(x)=0\) となる点は \(\small x=2\) であることがわかります。
\(\small\color{blue}{f'(x)=-2x+4\cdots(5)}\)
もう1回微分します。
\(\small\color{blue}{f^{\prime\prime}(x)=-2\cdots(6)}\)
2回微分したものはマイナスになっているので、上に凸のグラフが描けるはずです。図2に実際のグラフを示します。
ここまでで基本的な考え方は終わりです。
2次関数はそれほどグラフが複雑ではないので、ここで行った計算をするほどでもありません。それよりは3次関数や4次関数といった、より複雑な関数で大事になってきます。
そちらへの応用はまた次回に説明しましょう。