pH は溶液の水素イオン H+ 濃度の対数をとって、マイナス(-)を付けたものです。
中性のときの pH を 7 として、pH が 7 より小さければ酸性、pH が 7 より大きければ塩基性です。
この問題では酸と塩基の中和によってできる塩水溶液の pH を尋ねられています。
こういうときは、どういう酸と塩基の組み合わせになっているのか考えます。
そして強いほうに pH は引っ張られていくので、強酸と弱塩基であれば酸性(pH < 7)、弱酸と強塩基であれば塩基性(pH > 7)、強酸と強塩基であれば中性(pH = 7)です。
ここでは傾向さえわかればいいので、ここまでの話で答えが決まります。
ではなぜ上記のような組み合わせで酸性か塩基性かが決まるのか、もう少しだけ説明してみましょう。
たとえば、弱酸である酢酸 CH3COOH と強塩基である水酸化ナトリウム NaOH の中和でできる酢酸ナトリウム CH3COONa を考えます。
酢酸ナトリウムを水に溶かすと、酢酸イオン CH3COO– とナトリウムイオン Na+ に分かれます。
これらの分かれたイオンがそれぞれ水 H2O とどのような反応をするか考えましょう。
水酸化ナトリウムは強塩基のため、水に溶かすとすべて分かれます。
NaOH → Na+ + OH–
この反応の右に進む力が強いため、たとえばナトリウムイオンと水が反応すると仮定した次の反応は起こりにくくなります。
Na+ + H2O → NaOH + H+
一方、酢酸は弱酸のため、水に溶かしても一部しか分かれません。
CH3COOH ⇌ CH3COO– + H+
そうすると、酢酸イオンと水が反応すると仮定した次の反応がある程度起こります。
CH3COO– + H2O ⇌ CH3COOH + OH–
したがって、酢酸ナトリウムを水に溶かすと、水酸化物イオン OH– が増える傾向にあることがわかります。
溶液中で水酸化物イオンが増えるということは溶液の性質は塩基性になるということです。
強酸と弱塩基の組み合わせについても同じように考えることができます。
このあたりの話は以下の記事も参考にしてください。