原子は、原子核が中心にあって、そのまわりをマイナスの電気をもつ電子が飛び回っているイメージです。
原子核は、プラスの電気をもつ陽子と電気をもたない中性子からできています。
原子を作っている陽子、中性子、電子の数は原子の種類によって決まっています。
陽子と電子に注目すると、どちらも原子番号と同じ数です。
したがって、プラスの電気をもつ陽子とマイナスの電気をもつ電子の数は同じなので、原子は電気的に中性です。
電子の数は原子番号と同じですが、電子が入る場所は分かれていて、それを殻と呼んでいます。
殻は順番に K 殻 → L 殻 → M 殻 → … と名前がついていて、それぞれの殻に入る電子の数は 2n2 個です。
n は K 殻から 1、2、3、… を代入するので、それぞれの殻に入る電子の数は次のように計算されます。
K 殻 2 × 12 = 2 個
L 殻 2 × 22 = 8 個
M 殻 2 × 32 = 18 個
どの殻に電子がいくつ入っているかを表わしたものを電子配置といいます。
原子番号 1 の水素 H からいくつか見ていくと、電子配置は次のように表わされます。
原子番号 1 水素 H K 殻:1 個
原子番号 2 ヘリウム He K 殻:2 個
(ここで K 殻が埋まったので、次から L 殻に移動します)
原子番号 3 リチウム Li K 殻:2 個、L 殻:1 個
原子番号 4 ベリリウム Be K 殻:2 個、L 殻:2 個
↓
↓
原子番号 9 フッ素 F K 殻:2 個、L 殻:7 個
原子番号 10 ネオン Ne K 殻:2 個、L 殻:8 個
(ここで L 殻が埋まったので、次から M 殻に移動します)
原子番号 11 ナトリウム Na K 殻:2 個、L 殻:8 個、M 殻:1 個
原子番号 12 マグネシウム Mg K 殻:2 個、L 殻:8 個、M 殻:2 個
それではイオンの電子配置はどのように考えればよいでしょうか?
たとえばリチウムイオン Li+ は +1 の電気を持っています。
陽子の数と電子の数が同じであればプラスマイナスゼロで中性になるので、+1 の電気を持っているということは陽子の数が電子の数より 1 個多いと考えることができます。
ただし、陽子の数はイオンであっても原子番号と同じなので、リチウムイオン Li+ の陽子の数は 3 個で、電子の数を 1 個少ない 2 個と考えます。
そうするとプラスが 1 個余りますよね。
したがって、リチウムイオン Li+ の電子配置はリチウム Li の L 殻の電子 1 個がなくなった K 殻:2 個となり、ヘリウム He と同じ電子配置です。
イオンの電子配置は周期表で一番近い希ガス元素(18 族の元素)と同じになると覚えておいてもよいでしょう。
たとえば、フッ化物イオン F– やナトリウムイオン Na+ だったらネオン Ne と同じ電子配置、塩化物イオン Cl– やカリウムイオン K+ だったらアルゴン Ar と同じ電子配置です。
価電子は n が一番大きい殻に入っている電子の数なので、リチウム Li の価電子は L 殻の 1 個、ベリリウム Be の価電子は L 殻の 2 個、ナトリウム Na の価電子は M 殻の 1 個、、、となります。
この問題は少なくとも原子番号 20 までの周期表を覚えていないとできないですね。
今でもやっぱり「水兵リーベ…」の覚え方なのでしょうか?