濡れ

濡れ-4|表面の凹凸が濡れ性を変える?

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これまでに、固体面に置いた液滴の濡れ性は3つの界面張力によって決まること、そして界面張力を変化させれば液滴の形を変えられることを紹介しました。

今回は、さらに液滴の形に影響を与えるものについて見てみましょう。

 

ハスの葉っぱに乗っている水滴が丸くて、コロコロしているのを見たことがあるでしょうか?

これは、ハスの葉っぱがとてもよく水をはじいていることを示しています。

なぜこのように水をはじくかというと、その秘密はハスの葉っぱ表面の構造にあります。

 

ハスの葉っぱ表面を顕微鏡で拡大すると、小さな凹凸があることがわかります。

この凹凸構造が大事なのです。

 

固体の表面に凹凸があると、平らな表面よりも性質が強調されるという効果があります。

水が濡れやすい表面はより濡れやすく、水をはじきやすい表面はよりはじきやすくなります。

これをロータス効果といいます。

 

たとえばフライパンや傘など、撥水性を示す製品はこのような凹凸構造を持っています。

また、超撥水といって、固体の上で完全な球形になるぐらい水をはじく表面が人工的に作られていますが、このような超撥水表面は凹凸構造をきれいに制御することによって実現されています。

 

すこし話はそれますが、バイオミメティックという言葉があります。

動物や植物など、それぞれの持つ特徴を人工の製品に応用する試みのことで、生物模倣と言ったりもします。

今回紹介したロータス効果も、ハスの葉っぱの撥水性を参考にするということで、バイオミメティックの1つの例と考えられます。

 

進化の過程で洗練されてきた動物や植物の機能を参考にする、このような動きはこれからもいろいろなところで見られると思います。

バイオミメティックという視点を知っておくと何かの役に立つかもしれません。