前回までに、極値と変曲点の条件を使って(1)式と(2)式を求めました。
参考資料 (1)式
参考資料 (2)式
これら2つの式を組み合わせて臨界体積 Vc、臨界温度 Tc、臨界圧力 Pc を与える式を導きます。
まず(1)式に(2)式を代入すると Vc を求めることができます。
参考資料 (3)式
得られた Vc を(1)式に代入すると Tc が得られます。
参考資料 (4)式
最後に、得られた Vc と Tc をファン・デル・ワールス状態方程式に代入すると Pc が得られます。
参考資料 (5)式
また(3)、(4)、(5)式から Vc、Tc、Pc を使って2つの定数 a と b を表わすこともできます。
参考資料 (6)式
ちなみに先に示したファン・デル・ワールス状態方程式のグラフは n=100 mol、a=0.36 Pa m6 mol-2、b=4.27×10-5 m3 mol-1 として計算しています。
(3)、(4)、(5)式にこれらの数値を代入すると Vc、Tc、Pc を得ることができます。
参考資料 (7)式
これらの数値はグラフから読み取れる臨界点の値と近いことがわかります。
またこれらの数値とExcelを使うとグラフを再現することは簡単なので確認してみてください。
以上、ファン・デル・ワールス状態方程式を例に偏微分を見てきました。
固定する変数があることに注意しておけば、計算自体は通常の微分と大差ないので難しく考える必要はありません。