前回、2次関数を利用して微分とグラフの関係を見ました。それを応用して、今回は3次関数のグラフを見てみましょう。
\(\small(1)\,\)式の関数を考えます。
\(\small\color{blue}{f(x)=x^3-3x^2-24x+10\cdots(1)}\)
まず1回微分します。
\(\small\color{blue}{\begin{align}f'(x)&=3x^2-6x-24\\&=3(x^2-2x-8)\\&=3(x+2)(x-4)\cdots(2)\end{align}}\)
したがって、\(\small x=-2\)、\(\small 4\) のとき \(\small f’(x)=0\)、すなわち頂点と考えることができます。
もう一度、微分します。
\(\small\color{blue}{f^{\prime\prime}(x)=6x-6=6(x-1)\cdots(3)}\)
前回の説明で \(\small f^{\prime\prime}(x)\) がプラスであれば下に凸、マイナスであれば上に凸の曲線になることがわかっています。ただ、前回の2次関数と違うのは、\(\small f^{\prime\prime}(x)\) の式にまだ \(\small x\) が残っていることです。\(\small x\) の値によって \(\small f^{\prime\prime}(x)\) はプラスにもマイナスにもなります。
この場合どうすればよいのかと思うかもしれませんが、そのまま考えればよいです。\(\small f^{\prime\prime}(x)\) がプラスになる \(\small x>1\) の領域では下に凸、マイナスになる \(\small x<1\) の領域では上に凸の曲線を考えます。
そしてその境目が \(\small f^{\prime\prime}(x)=0\)、つまり \(\small x=1\) のときです。
今までのところを表にまとめましょう。
では実際のグラフと比較してみます。
まず、\(\small x=-2\)、\(\small 4\) のときに傾きが \(\small 0\) となる頂点(この場合は極大と極小)が現れています。そして、\(\small f^{\prime\prime}(x)\) がプラスになる \(\small x>1\) の領域では下に凸、マイナスになる \(\small x<1\) の領域では上に凸の曲線が描かれています。\(\small f^{\prime\prime}(x)\) が \(\small 0\) になる \(\small x=1\) の点を変曲点といい、上に凸の曲線と下に凸の曲線が入れ替わる点を意味します。
このように、グラフの形を推測する上で微分は役に立ちます。