平成27年度センター試験【化学】第1問 問6|水素化合物の沸点

参考資料

 

問題にある図3は教科書でよく見かける図で、この図だけでもいろいろな情報を含んでいて大事です。

 

まず沸点を考えます。

沸点は液体から気体に変わる温度です。

分子レベルで液体と気体を見たときに何が違うかというと、分子の運動の激しさ、あるいは分子間の距離です。

参考資料 図1

液体のときは分子間の距離が近く、あまり激しく運動していません。

液体を加熱して温度を上げていくと分子の運動が激しくなっていきます。

それでも分子間にはたらく力のほうが強ければ、分子はあまり遠くのほうへ行くことができずに液体のままです。

しかしさらに温度を上げていくと、分子の運動の激しさが分子間にはたらく力に勝って、遠くのほうまで運動できるようになる瞬間が出てきます。

これが分子レベルで見たときの沸点のイメージです。

 

一般に、分子量が大きいほど分子間にはたらく力は強くなります。

分子間にはたらく力が強くなると、その力に打ち勝って気体になるためにはより高い温度にしなければいけません。

分子量が大きい → 分子間にはたらく力が強い → 沸点が高い

分子量が小さい → 分子間にはたらく力が弱い → 沸点が低い

 

したがって通常は、同じ族の水素化合物の沸点を比較すると、図3のように右上がりのグラフになります。

しかし図3を見てみると、その法則から外れている分子があります。

水 H2O とフッ化水素 HF です。

これら2つの化合物は分子量が小さいにも関わらず、沸点が極端に高くなっています。

これを逆に考えてみましょう。

沸点が高い → 分子間にはたらく力が強い

つまり分子量の大小で分子間に通常はたらく力に加えて、何か別の強い力がはたらいていると考えます。

 

分子間にはいろいろな力がはたらいていますが、これら2つの水素化合物間には水素結合がはたらいています。

水素結合は強い力なので、その力に打ち勝つためには温度を上げなければならず、結果的に沸点が高くなっています。

 

沸点はごくありふれた性質ですが、その中身は分子間にはたらく力を反映したものであり、その数値からいろいろなことを類推することができます。

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