原子やイオンが集まってできる物質を構成する化学結合には3種類あります。
1)共有結合
電子2個で1つの結合を作っているもので、化学構造式を書いたときに原子と原子をつないでいる「-(線)」で表わされる結合です。
一般に、周期表の右側にある元素同士で作りやすい結合です。
例)塩素 Cl-Cl アンモニア H-NH-H
2)イオン結合
陽イオンと陰イオンが電気的な引力で結びついている結合です。
周期表の左側にある元素は陽イオンになりやすく、周期表の右側にある元素は陰イオンになりやすいので、この組み合わせで作られやすい結合です。
例)塩化ナトリウム Na+ Cl– 炭酸カルシウム Ca2+ CO32-(CO32- イオンの炭素原子と酸素原子の間は共有結合)
3)金属結合
いわゆる金属の原子間に作られる結合です。
結合に電子が関与していますが、共有結合のように原子間に固定されているイメージではなく、金属原子間を動き回って原子同士を結び付けているイメージです。
例)銅 Cu
配位結合は少し特殊で、結合を作る2個の電子を、共有結合のときはお互いに1個ずつ出しているのに対し、配位結合では一方の原子からのみ出しているという違いがあります。
主に錯体と呼ばれる物質に見られるもので、たとえばアンモニアは窒素原子がもつ非共有電子対を金属原子に提供して配位結合を作る代表的な化合物です。
ただしこの問題では、アンモニア自身を構成している化学結合を尋ねられているので、上に書いたように共有結合が正解です。
慣れないと結合の違いなどよくわからないかもしれませんが、長いこと化学に携わっていると何となくわかってくるので不思議なものです。