原子のまわりに、価電子を点(・)で示したものを電子式といいます。
価電子の数は周期表のどの族にあてはまるかによって決まっているので、第3周期までだと図1のようになります。
参考資料 図1
分子を作るときは、それぞれの原子のペアになっていない電子を1つずつ出して原子と原子の間でペアを作ります。
こうやってできたペアが1つの結合を表わします。
ペアが1つのときは単結合、ペアが2つできるときは2重結合、ペアが3つできるときは3重結合です。
では問題を見てみましょう。
この問題の場合、X と Z の間には6個の点(電子)があります。
お互いに1つずつ電子を出して、2つの電子で1つの結合を表わしているということは、この分子はペアが3つ、すなわち3重結合を持っています。
この時点で3重結合をもつ分子がわかれば、それで解答してもよいでしょう。
もう少し考えてみると、それぞれの原子は3重結合をつくるために自分から3個ずつ電子を出しています。
すると、X 原子の価電子数は5個、Z 原子の価電子数も5個なので、あとは価電子数が5個の原子を選択肢から選べばよいです。
図1を見ると、選択肢にある原子の価電子数は次のとおりです。
H 水素 1個
N 窒素 5個
O 酸素 6個
F フッ素 7個
Cl 塩素 7個
したがって、答えは窒素分子 N2 です。