引き続き、分数の足し算を見ていきます。
前回、図で説明したことを数式で書くと次のようになります。
(1/2)+(1/3)=(3/6)+(2/6)= 5/6
ポイントは2つです。
1)分母(分数の下の部分)に共通する数を見つける。
2)分母をそろえるために、分子(分数の上の部分)、分母にそれぞれ同じ数を掛ける。
1ができれば2は問題なくできますので、1の見つけ方を考えましょう。
分母に共通する数を見つけるためには、それぞれの分母の数を2倍、3倍としていき、同じになる数を探します。
上の例では分母は 2 と 3 なので、2倍、3倍としていくと、
2 × 2 = 4 2 × 3 = 6 2 × 4 = 8 …
3 × 2 = 6 3 × 3 = 9 3 × 4 = 12 …
そうすると、共通する数として 6 が出てきますので、分母が 6 になるように分数を変えます。
1/2 の分母を 6 にするためには 3 を掛けないといけないので、同じように分子にも 3 を掛けて計算します。
(1 × 3)/(2 × 3)= 3/6
1/3 の分母を 6 にするためには 2 を掛けないといけないので、同じように分子にも 2 を掛けて計算します。
(1 × 2)/(3 × 2)= 2/6
このようにして計算します。
それでは次の計算はどうでしょうか?
(1/4)+(1/6)
上と同じように計算してみます。
4 × 2 = 8 4 × 3 = 12 …
6 × 2 = 12 …
ここでは 12 が共通するので、分母を 12 にして計算しましょう。
(1/4)+(1/6)=(3/12)+(2/12)= 5/12
ここまで見てきた共通する数を数学では最小公倍数といいます。
したがって、最小公倍数を見つける方法がわかればよいです。
上で行ったように1つずつ考えていけば必ず答えは出てきますが、簡単な計算方法もあります。
たとえば 4 と 6 でやってみると、次のようになります。
2)4 6
. 2 3 ⇒ 2 × 2 × 3 = 12
最小公倍数を求めたい数の両方を割り切れる数(上の例では 2)を見つけて割ります。
そして割り切れる数が無くなったら、左の列と一番下の列の数字を全部掛けて出てくる数字が最小公倍数です。
では 12 と 30 の最小公倍数はどうなるでしょう?
2)12 30
3) 6 15
. 2 5 ⇒ 2 × 3 × 2 × 5 = 60
以上のように、分数の足し算をするときは分母の最小公倍数を見つけて、その最小公倍数にそれぞれの分数の分母を合わせてから足します。
さて基本的にはこのようにして計算しますが、あまり細かいことを考えずに計算する方法もあります。
それは最小公倍数でなく、分母の数を掛けた数で分母をそろえて計算してしまう方法です。
たとえば上の問題の場合、4 × 6 = 24 なので分母を 24 にそろえて計算するのです。
(1/4)+(1/6)=(6/24)+(4/24)= 10/24 = 5/12
この計算の最後は 10/24 の分子、分母とも 2 で割ったものです。
これを約分といいます。
こちらは最小公倍数を見つける必要がないので簡単そうですが、最後に約分していないと学校のテストでは正解にしてもらえないかもしれないので、注意が必要です。
あと欠点として、分母の数が大きくなるとちょっと面倒になることが挙げられます。
以上、分数の足し算を見てきましたが、分数の引き算もまったく同じように考えれば大丈夫です。