今回は分数の足し算を見ていきます。
次の計算はすぐにできますか?
(1/2)+(1/3)
答えがパッと出てくる人は以下の説明を読む必要はありません。
では図を使って、この分数の足し算を考えてみましょう。
前回の図を参考に 1/2 と 1/3 を足してみると、図1のようになります。
参考資料 図1
1つの円の大部分が埋まってしまいました。
これを分数で表わすとどうなるでしょうか?
図を見ても 1/2 と 1/3 ではうまく比べることができません。
そこで 1/2 や 1/3 を別の方法で表わすことにします。
どうするかというと、この円をもっと小さく分けてしまうのです。
たとえば 1/6、すなわち円を6等分してみましょう。
参考資料 図2
では、この図で 1/2 を作ってください。
参考資料 図3
そうです、1/2 は 1/6 を3つ集めたもの、すなわち 3/6 と同じです。
分数はこのような性質を持っています。
学問的にいうと、分数の分子と分母に同じ数を掛けたものは元の分数と同じです。
だから、1/2 の分子と分母に2を掛けた 2/4 も、3を掛けた 3/6 も、1/2 と同じです。
同じく、1/3 の分子と分母に2を掛けた 2/6 は図4のようになり、1/3 と同じことがわかります。
参考資料 図4
ここまでくると、最初の計算の答えは出てきたようなものです。
1/2 と 1/3 だとわかりにくかった計算ですが、上の図を見ると 3/6 と 2/6 を足したものになっています。
もう少しいうと、1/6 をそれぞれ3つと2つ集めたものになるので、最初の計算の答えは 5/6 です。
いかがでしょうか?
分数の足し算ではこのようなことをしています。
数式の上では単純に足すことができないので、計算方法が少し複雑になってしまうのです。
図で考えるとわかりやすくなりますが、計算のたびにいちいち図を描くのも面倒です。
そこで、数式だけ見て計算するときに注意する点について次回見ていくことにしましょう。