理想気体-5|グラフ

理想気体の状態方程式がわかったところで、この式が描くグラフを見てみましょう。特に難しくもないグラフですが、式や現象の内容を理解する上でグラフを描くことは大切です。

圧力-体積曲線

理想気体の状態方程式は\(\small\,(1)\,\)式で与えられます。

\(\small\color{blue}{PV=nRT\cdots\text{(1)}}\)

この式を使ってグラフを描きます。

といっても変数が圧力 \(\small P\)、体積 \(\small V\)、温度 \(\small T\) の3つありますので、この中から2つ選びます。ここでは温度 \(\small T\) を一定として、縦軸に圧力 \(\small P\)、横軸に体積 \(\small V\) を取ったグラフを作成することにします。

まずは作成したいグラフに合わせて、理想気体の状態方程式を変形します。

\(\small\color{blue}{P=\displaystyle\frac{nRT}{V}\cdots\text{(2)}}\)

そして数値を代入して計算を行い、それをグラフにします。たとえば、\(\small 25\)\(℃\) で \(\small 1\,\text{mol}\) の理想気体があるとして、体積に適当な数値をいくつか代入して圧力を計算すると、図1のグラフを得ることができます。


図1は反比例のグラフになっています。

このことから、理想気体が膨張して体積が増加すると圧力は減少することがわかります。あるいは逆に、理想気体が圧縮されて体積が減少すると圧力は増加することがわかります。

温度変化に注意

理想気体の状態方程式が描く圧力-体積曲線は反比例のグラフで、特に難しいものではありません。ただし、この曲線は温度一定の条件で描かれていることに注意が必要です。図1は \(\small 25\)\(℃\) での曲線であって、温度が変われば曲線も変化します。

\(\small 1\,\text{mol}\) の理想気体について、\(\small -175\)\(℃\)、\(\small -75\)\(℃\)、\(\small 25\)\(℃\)、\(\small 125\)\(℃\)、\(\small 225\)\(℃\) のときのグラフを図2に示します。


図2から明らかなように、温度によって曲線は変わります。しかし、反比例の形であることに変わりはありません。

このことは、\(\small(2)\,\)式において温度が一定であれば \(\small nRT\) が一定であり、\(\small(2)\,\)式は \(\small y=a/x\) の形となることから明らかです。

縦切り横切り

体積一定の条件で図2を眺めてみると、温度が高くなるにつれて圧力が増加することがわかります。


これを別のグラフで書き直してみましょう。


こうすると温度によって圧力がどのように変化するか、わかりやすくなります。

ちなみにこのグラフは理想気体の状態方程式を次のように変形して得ることができます。

\(\small\color{blue}{P=\displaystyle\left(\frac{nR}{V}\right)T\cdots\text{(3)}}\)

今度は体積が一定なので \(\small nR/V\) が一定の数値で、\(\small(3)\,\)式は \(\small y=ax\) の形となり、原点を通る直線であることがわかります。

同様に、図2において圧力一定の条件で眺めてみると、温度が高くなるにつれて体積が増加することがわかります。


これを別のグラフで書き直してみましょう。


こうすると温度によって体積がどのように変化するか、わかりやすくなります。

ちなみにこのグラフは理想気体の状態方程式を次のように変形して得ることができます。

\(\small\color{blue}{V=\displaystyle\left(\frac{nR}{P}\right)T\cdots\text{(4)}}\)

今度は圧力が一定なので \(\small nR/P\) が一定の数値で、やはり\(\small\,(4)\,\)式は \(\small y=ax\) の形となり、原点を通る直線であることがわかります。

このように、1つのグラフを縦に切ったり横に切ったりすることによって、2つの変数の関係や変化の様子がわかりやすくなります。このことは理想気体の話に限らず、いろいろな実験結果に対して使うことができるので、覚えておくと良いです。

まとめ

ここまで理想気体に関していくつかグラフを紹介してきましたが、まずは自分でグラフを作成してみるのが良いでしょう。簡単なグラフでも自分で作成してみると、どのような形になるのかイメージを持ちやすくなります。今回の例でいえば、温度を変化させたときに曲線がどのように変化するのか実感できます。

今は Excel を使って簡単にグラフを書くことができますので、ぜひ自分でグラフを作成してみてください。

今回で理想気体の話は終わりです。次回から実在気体の特徴を見ていきます。

ここまで学んできた理想気体の話と比較することで、実在気体の特徴がよくわかるようになります。

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