物理化学の数学|偏微分-3

参考資料

 

偏微分を使う計算例として、ファン・デル・ワールス状態方程式の臨界点を見てみましょう。

ファン・デル・ワールス状態方程式は、理想気体の状態方程式で無視していた分子の大きさと分子間力を考慮した式で、(1)式で表わされます。

参考資料 (1)式

ここで、a と b は気体の種類に依存する定数です。

 

まずはファン・デル・ワールス状態方程式がどのような曲線なのか、いくつかの温度でグラフを描いてみましょう。

参考資料 図1

温度が高いときは反比例のような曲線になっていますが、温度が低くなるにつれて極小が現れるようになります。

これがファン・デル・ワールス状態方程式の特徴です。

 

極小が現れる温度と現れない温度の境界にあたる温度を臨界温度 Tc といいます。

図1では 300 K が Tc に対応しています。

Tc の曲線には図1の点線で示したように傾きが 0 になる点が現れます。

この点を与える体積を臨界体積 Vc、圧力を臨界圧力 Pc といいます。

Vc は 260 K および 280 K の曲線で見られる極大と極小が最終的にたどり着く点です。

その様子を図2に示します。

参考資料 図2

したがって Vc を求めるときは極値の条件、すなわち傾きが 0 となる条件を利用します。

この条件は(2)式で表わされます。

参考資料 (2)式

ここで温度は一定であり、かつその温度は臨界温度 Tc です。

(2)式の偏微分を行うと(3)式が得られます。

参考資料 (3)式

(3)式で V=Vc のときに傾きが 0 となります。

参考資料 (4)式

 

(4)式のみでは Tc や Vc、Pc を求められないので、もう1つ条件を追加します。

Tc の曲線で Vc の点は極値であると同時に変曲点でもあるので、その条件を追加することになります。

 

続きは次回にしましょう。

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