溶媒分子は通すけれど溶質分子は通さない膜を半透膜といいます。
半透膜を介して純水とスクロース水溶液を接触させると、スクロース水溶液の体積が増えます。
それはなぜか?
温度が高いモノと低いモノを接触させると、温度が高いほうから低いほうへ熱が移動して、温度が高いモノは低く、温度が低いモノは高くなり、最終的に同じ温度になります。
同じように、濃度が高い溶液と低い溶液を接触させると、濃度が高いほうから低いほうへ溶質が移動して、濃度が高い溶液は低く、濃度が低い溶液は高くなり、最終的に同じ濃度になります。
したがって半透膜がなければ、スクロースが純水へ移動することで濃度が均一になるはずです。
しかし半透膜があるために、スクロースは純水へ移動することができません。
でも濃度は均一にしたい。
そこで半透膜を通れる水がスクロース水溶液へ移動し始めます。
スクロース水溶液に水が入っていくと水溶液の濃度が小さくなるからです。
しかしたくさん水が移動すれば水溶液の濃度は限りなく 0 に近づくとしても、スクロースがあるので 0 にはなりません。
また水が入ると体積が増えるため、その分、圧力がかかり始めます。
参考資料 図1
このときの圧力が浸透圧に相当しますが、水が移動する力と浸透圧が等しくなったときに水の移動は止まります。
希薄溶液の浸透圧 Π は理想気体の状態方程式と同じ形で表わされます。
参考資料 (1)式
またモル濃度 C(=n/V)を使うと(2)式で表わされます。
参考資料 (2)式
したがって浸透圧 Π はモル濃度 C と絶対温度 T に比例します。