過冷却とは、液体から固体への相転移が起こるはずの温度を下回っても相転移が起きていない状態のことです。
たとえば水は 0℃ で氷に変わるはずなのに、-1℃、-2℃、、と 0℃ を下回っても水のままでいることがあり、これを過冷却状態といいます。
温度をゆっくり下げていったとき、凝固点になっても気づかずにさらに温度が下がっているわけです。
この状態は本来あるべき姿ではないので、非常に不安定な状態です。
この状態に振動などの刺激が加わると、物質が凝固点よりも下がっていることに気づき、急激に本来あるべき姿に戻ります。
したがって問題の図2 の A と B の間にある極小あたりで凝固が始まっています。
過冷却の有無にかかわらず、縦軸に温度、横軸に時間をとった冷却曲線の見方は大事です。
凝固を例にとると、液体から固体へ相転移が起こる凝固点では液体と固体の両相が共存していて、その間は温度が変わりません。
液体が固体に完全に変わったら、再び温度が下がり始めます。
ちなみに選択肢⑤は、不純物を加えると凝固点が下がる凝固点降下のことです。