この問題、選択肢の ① と ⑤ でちょっと迷う感じがしました。
他の選択肢はわかりやすいです。
② 陽イオンと陰イオンからできているイオン結晶は、陽イオンと陰イオンが静電気的なクーロン力で結合(イオン結合)しています。
③ 展性は平面状に薄く広がる性質、延性は細長く延びる性質のことで、自由電子をもっている金属に特有の性質です。
④ これは問 2 で見たとおりです。
さて ① と ⑤ ですが、次のように考えます。
① 極性とは双極子モーメントをもつことなので、1 つの結合で電荷の偏りがある結合は双極子モーメントをもちます。
たとえば水 H2O の水素 H と酸素 O の間の結合を見てみると、電気陰性度の高い O が電子を引き付けて電荷が偏ることで O は少し負に、H は少し正に帯電した結果、双極子モーメントをもちます。
一方で無極性分子とは、分子全体で双極子モーメントをもっていない分子のことです。
四塩化炭素 CCl4 は四面体構造をしていて、炭素 C と塩素 Cl の間の結合では電荷の偏りによる双極子モーメント、すなわち極性をもっていたとしても、分子全体では 4 つの双極子モーメントがちょうど打ち消し合うため、無極性分子となります。
⑤ H2O にプロトン H+ が結合したものがオキソニウムイオンです。
この結合は H2O がもっていた非共有電子対を H+ が使うため、配位結合と考えることができます。
しかし一旦結合してしまうと 3 つの結合はどれも 2 個の電子を使った結合と考えられるため、区別ができなくなります。
① と ⑤ はおそらくこのようなことを聞いています。