密度-4|密度と比重の違い

密度とよく似た言葉に比重があります。同じ意味で使われることも多いですが、本当は少し違います。

比重とは、ある物質の質量と、それと同体積の標準物質の質量の比のことです。比をとるので、密度とちがって単位はありません。

たとえば、ある物質 \(\small 100\,\text{cm}^{3}\) の質量が \(\small 105\,\text{g}\) で、標準物質 \(\small 100\,\text{cm}^{3}\) の質量が \(\small 100\,\text{g}\) のとき、ある物質の比重は次のように計算されます。

\(\small\color{blue}{\displaystyle\frac{105\,\text{g}}{100\,\text{g}}=1.05}\)

標準物質として、ふつうは \(\small 4\)\(℃\) の水(密度 \(\small 0.999972\,\text{g}\,\text{cm}^{-3}\))を使います。上の例だと、標準物質 \(\small 100\,\text{cm}^{3}\) の質量は \(\small 100\,\text{cm}^{3}\times 0.999972\,\text{g}\,\text{cm}^{-3}=99.9972\,\text{g}\) です。したがって、ある物質の比重は \(\small 105\,\text{g}/99.9972\,\text{g}=1.05\) です。

ところで、ある物質は \(\small 100\,\text{cm}^{3}\) で \(\small 105\,\text{g}\) なので、密度は \(\small 105\,\text{g}/100\,\text{cm}^{3}=1.05\,\text{g}\,\text{cm}^{-3}\) です。そうすると、ある物質の密度と比重はほとんど変わらないことがわかります。

密度と比重は違うものですが、数値的には同じものとして考えても問題ないレベルです。試薬のビンには密度ではなく比重が書いてあることも多く、その比重の数値に \(\small \text{g}\,\text{cm}^{-3}\) を付けて密度として計算してもほとんど問題はありません。

ある液体の密度を測定するときに、比重の考え方が使えます。

1つのビンに密度がわからないある液体をぴったり入れて質量をはかります。そして、同じビンに今度は水をぴったり入れて質量をはかります。このとき同じビンを使っているので体積はまったく同じです。したがって、ある液体と水の質量比から比重がわかります。この比重に水の密度を掛ければ、ある液体の密度が計算できます。

このとき注意することは、もし \(\small 20\)\(℃\) で実験した場合は \(\small 20\)\(℃\) での水の密度を使わないといけないことです。逆にいうと、\(\small 4\)\(℃\) で実験する必要はありませんし、正確な密度がわかっていれば水でなくても実験できます。

こういう違いがあることだけでも知っておくとよいです。

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