前回は色の仕組みについて考えました。
そのことをふまえて、今回は酸性やアルカリ性溶液の中で、紫キャベツ指示薬の色が変わったことについて見ていきます。
色が変わるということは、色を発しているモノが吸収する光が変わったということです。
同じモノであれば吸収する光も変わらないはずで、そうすると色を発しているモノが別のモノに変わったと考えることができます。
といっても指示薬の場合、全く別のモノに変わっているわけでもありません。
酸性溶液とアルカリ性溶液の違いは水素イオン H+ が多いか少ないか、です。
それだけで色の違いが出てきているので、H+ が影響していることは想像できます。
実際には次のような変化が起きています。
指示薬-H ⇌ 指示薬+ H+
左側が酸性溶液のとき、右側がアルカリ性溶液のときです。
つまり、指示薬に H+ が付いているかどうかで色が変わってきているのです。
指示薬にはいろいろなものがあります。
有名なところではリトマス紙です。
青いリトマス紙を酸性溶液に入れると赤くなり、赤いリトマス紙をアルカリ性溶液に入れると青くなります。
また、アンモニアの噴水実験でおなじみのフェノールフタレインは中性では無色透明ですが、アルカリ性になると赤紫色を示します。
アンモニア水はアルカリ性なので赤紫色になるわけです。
紫キャベツ指示薬を含め、このような指示薬は、基本的に H+ の有無で色が変化すると考えることができます。
H+ の有無で大きく色が変化するモノが酸性・アルカリ性を判定する指示薬として使われている、と言うこともできます。
いかがでしたか。
これで酸とアルカリについてはひとまず終わりにします。