これまで見てきたように、酸性やアルカリ性は水素イオン H+ の濃度で決まることがわかりました。
それでは酸性のもの、アルカリ性のものとはどういうものでしょうか。
酸性は H+ の濃度が大きいので、水に加えたときに水素イオンの濃度を大きくするもの、つまり H+ を出すものと考えられます。
有名な物質に塩酸や酢酸があります。
それぞれ、水に入れると次のように H+ を出します。
HCl → H++ Cl-
CH3COOH → CH3COO-+ H+
アルカリ性は H+ の濃度が小さくて OH- の濃度が大きいので、水に加えたときに水酸化物イオンの濃度を大きくするもの、つまり OH- を出すものと考えられます。
たとえば水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)は次のようにして OH- を出します。
NaOH → Na++ OH-
またアンモニア NH3 がアルカリ性なのは有名ですが、アンモニアの化学式には見当たらない OH- がどこから出てくるのかというと、次のような仕組みになっています。
NH3 + H2O → NH4+ + OH-
原理がわかれば、このあたりの話はわかりやすいです。
さらに酸やアルカリには強いもの、弱いものがありますが、これは H+ や OH- の出方が違うことが原因です。
それについてはまた次回に。