不飽和とは二重結合や三重結合を含んでいることを指します。
そこへ水素を反応させると不飽和部分に水素が付加して、単結合のみからなる飽和化合物ができます。
この問題はそれを利用した反応にともなう計算が必要です。
はじめに 5.00×10-2(=0.05)mol の油脂 A と反応した水素の物質量を求めます。
消費された水素は 0℃、1.013×105 Pa で 6.72 L なので、 理想気体の状態方程式から物質量を計算します。
参考資料 (1)式
したがって油脂 A と水素の物質量比は 0.05:0.30=1:6 です。
つまり 1 つの油脂 A に対して 6 つの水素分子 H2 が反応します。
油脂 A は鎖状の炭化水素基である R を 3 つ含んでいるので、1 つの R に対して 2 つの水素分子 H2 が反応しているはずです。
また不飽和結合 1 つに対して 1 つの水素分子 H2(2 つの水素原子 H)が付加するので、1 つの R には 2 つの不飽和結合(二重結合が 2 つ、あるいは三重結合が 1 つ)が含まれていると考えられます。
仮に二重結合が 2 つあるとしたとき、炭素 C と水素 H の数の関係はどうなるでしょうか。
炭素数が 6 個の炭化水素基で考えてみましょう。
まず、すべて単結合の飽和炭化水素基の場合は C6H13– と表わされます。
CH3-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2–
炭素数を n とすると CnH2n+1 です。
次に、二重結合が 1 つ含まれている場合は C6H11– と表わされます。
CH2=CH-CH2-CH2-CH2-CH2–
炭素数を n とすると CnH2n-1 です。
そして二重結合が 2 つ含まれている場合は C6H9– と表わされます。
CH2=CH-CH=CH-CH2-CH2–
炭素数を n とすると CnH2n-3 です。
あとは選択肢を見て CnH2n-3 となるものを選びましょう。