まずは結果Ⅰのグラフに着目します。
このグラフから、X が 1.0 mol から 0.8 mol へ変化したとき、すなわち X が 0.2 mol 減少したとき、Y(または Z)が 0.1 mol できることがわかります。
したがって係数 a と b の比は 2:1 です。
次に Q の正負はルシャトリエの原理を考えます。
ルシャトリエの原理とは、条件が変化したときはその変化を打ち消す方向に平衡が移動することです。
この問題では、結果Ⅰと結果Ⅱで温度が違います。
結果Ⅰから結果Ⅱに向かって温度が上昇しているので、結果Ⅱには温度の上昇を打ち消す方向に変化した結果が現れているはずです。
温度の上昇を打ち消す、とは温度を下げることなので、吸熱反応を意味します。
なぜなら吸熱反応は周りの熱を吸収する結果、温度が下がるからです。
あとは反応が進む方向を判断しなければいけません。
結果Ⅰと結果Ⅱでは、結果Ⅱのほうが X の減少、あるいは Y の増加が大きくなっています。
熱化学方程式でいうと、左辺から右辺のほうに変化がより進んでいるわけです。
したがって左辺から右辺へ向かうほうが吸熱反応になるように、つまり Q は負です。
ルシャトリエの原理は混乱しやすいので、落ち着いて考えましょう。
最後に、得られた答えを熱化学方程式に入れて問題どおりの現象が起きるかどうか、確認するといいです。
2X=Y+Z-Q [kJ]
温度が上昇した場合、温度を下げようとして左辺から右辺への吸熱反応が進むため、X の消費量、Y、Z の生成量が大きくなることが確認できます。