電気分解に関する問題です。
電気分解では、陰極で電子 e– を受け取る反応、陽極で電子 e– を放出する反応が起きます。
そして電極自身がイオンになりやすいかどうかで、どのような反応が起きるか決まります。
銅はイオンになりやすいため、硫酸銅水溶液中の銅電極では次の反応が起きます。
陰極 : Cu2+ + 2e– → Cu (銅が析出する)
陽極 : Cu → Cu2+ + 2e– (銅が溶解する)
白金はイオンになりにくいため、希硫酸中の白金電極では水の電気分解が起きます。
陰極 : 2H+ + 2e– → H2 (水素が発生する)
陽極 : 4OH– → 2H2O + O2 + 4e– (酸素が発生する)
流れた電流と析出した銅の質量の関係はどうなるでしょうか。
これには電流の単位 A(アンペア)が何かを知っておく必要があります。
電流の単位 A は C/s(クーロン毎秒)と書くことができ、1秒間に流れた電気量(クーロン)のことを表わします。
したがって、流した電流に流した時間を掛けると流れた電気量を求めることができます。
流れた電気量は上記の反応式の e– に相当する部分であり、またファラデー定数から 1 mol の電気量は 96500 C であることがわかっています。
以上の情報を利用して、流した電流を求めましょう。
1)析出した銅の物質量
0.32 [g] / 64 [g/mol] = 0.005 mol
2)流れた電気量
銅電極の陰極の反応式からわかるように、流れた電気量 e– は析出した銅の2倍です。
0.005 mol × 2 = 0.01 mol
3)流した電流 x [A](= x [C/s])
x [C/s] × 1930 [s] = 96500 [C/mol] × 0.01 [mol]
∴ x = 0.50 A