濃度-08|モル分率 mole fraction

今回は3つ目の濃度としてモル分率を紹介します。

モル分率は、含まれている全ての成分の合計物質量に対する、ある成分が占める物質量の割合のことです。

文章だとうまく説明できないので、さっそく計算してみましょう。

物質量の計算さえできれば、容量モル濃度や質量モル濃度よりも簡単です。

 

水 50 g とエタノール 50 g を混ぜたとします。

まず、水(分子量:18)とエタノール(分子量:46)の物質量を計算します。

水の物質量 50 / 18 = 2.78 mol

エタノールの物質量 50 / 46 = 1.09 mol

 

水とエタノールを混ぜた 100 g の液体の全物質量は 2.78 + 1.09 = 3.87 mol です。

この 3.87 mol に対して、水とエタノールの物質量はどれくらいの割合ですか、というのがモル分率です。

したがって、それぞれの物質量を 3.87 mol で割ればよいです。

水のモル分率 2.78 / 3.87 = 0.72

エタノールのモル分率 1.09 / 3.87 = 0.28

計算は以上で終わりです。

 

いかがでしょうか。

計算はわりと簡単だと思います。

少し注意することがあるとすれば、モル分率は物質量の比だということです。

50 g と 50 g という数値を見てしまうと、なんとなく 1:1 だからモル分率は 0.5 としてしまうかもしれませんが、そうではないので注意してください。

 

それから、モル分率は比率なので、全成分のモル分率の合計は必ず 1 です。

上の例だと 0.72 + 0.28 = 1 となります。

したがって成分が2つの場合は、1つの成分のモル分率がわかれば、あとは 1 からそのモル分率を引くことで、もう1つの成分のモル分率がわかります。

 

さらにもう1つ、モル分率には単位がありませんので注意してください。

 

成分が3つになっても4つになっても、同じように計算できます。

それぞれの成分の物質量を、全成分の合計物質量で割れば大丈夫です。

 

もう少しだけ計算してみます。

1 mol/kg の塩化ナトリウム水溶液があった場合、塩化ナトリウムと水のモル分率はどうなるでしょうか?

1 mol/kg の塩化ナトリウム水溶液の中には、1 mol の塩化ナトリウムと 1 kg の水が入っています。

1 kg(= 1,000 g)の水の物質量は 1,000 / 18 = 56 mol なので、この塩化ナトリウム水溶液の合計物質量は 57 mol です。

したがって、モル分率の計算は以下のとおりです。

塩化ナトリウムのモル分率 1 / 57 = 0.02

水のモル分率 1 - 0.02 = 0.98

モル分率を計算してみると、それぞれの成分の割合がわかりやすくなります。

 

モル分率はあまり日常で使う濃度ではなく学問の分野で使うことが多いので、こういう濃度の表わし方もあるんだな、ぐらいに考えてください。

 

お知らせ

ダウンロードページで濃度の内容をまとめた pdf ファイルを配布しています。

よかったらご活用ください。

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