単位はとても重要です。
科学の世界では、数値は必ず数字と単位で表わさなければなりません。
そういう意味で単位は重要なのですが、計算するときにも役に立ちます。
簡単な例を2つ挙げてみましょう。
1)定義を知らなくても、単位を見れば計算方法がわかる
次のような問題があったとしましょう。
「時速 60 km で走っている車が3時間で走る距離を求めなさい」
速さと時間、距離の関係を知っていれば、速さと時間の掛け算で距離が計算できることはわかるはず。
だから 60 × 3 = 180 で、答えは 180 km と求められます。
しかしこの問題はそのような関係を知らなくても計算できます。
時速 60 km は 60 km/時 と表わします。
この km/時 という単位は分子を km、分母を時間とした分数と同じと考えてよくて、km を時間で割ることを意味します。
そうすると次の関係から、時速に時間を掛けると距離が出てくることがわかります。
(km/時)×(時間)=(km)
単位はただ数字にくっついているだけでなく、数式を表わしていることを知っておけば、複雑な単位でもわかりやすくなるので便利です。
2)計算の間違いを防ぐことができる
次のような問題があったとしましょう。
「時速 60 km で走っている車が 30 分で走る距離を求めなさい」
速さと時間の掛け算で距離が計算できるからと思って、何も考えずに 60 × 30 = 1,800 km と答えると間違いです。
計算するときは単位が合っているかどうかを必ず確認する必要があります。
単位を入れてもう一度見てみると 60(km/時)× 30(分)となって、単位が合っていないことがわかります。
こういう場合は時速を分速に直すか、分を時間に直して単位を合わせる必要があります。
この問題では分を時間に直すほうが簡単で、30 分を時間に直すと 0.5 時間。
だから 60(km/時)× 0.5(時間)= 30 km が正解です。
簡単な計算でも単位が合っているかどうかはとても大事なので、計算するときは多少面倒でも単位を付けておいたほうが良いです。
こういう話は受験向きですね。
物理や化学の問題を解くときの参考にしてください。